こまった人にこまった
amazon:こまった人(養老孟司著、中公文庫)を読んでいるのだが、途中から急激につまらなくなって来た。内容がつまらないんじゃなく、私の興味関心が薄れたのだ。
養老節は健在。話がつるつると流れて、あれ、最初は何の話題だっけ、と読者が目をぱちくりする羽目なるのも相変わらず。それは楽しいのだが、これは何せ随筆であり、かつ、時事ものでもある。
イラン・イラク派兵の時の問題などが出てくる。
そこに書かれている問題は、現在でも残されている。責任をきちんと明確にされては、と著者が指摘している問題は結局明確にならないまま、時間の流れの中に飲み込まれたんじゃなかっただろうか。
で、そういう既に結末が分かっている提言に、いらいらしてしまった部分があるのだ。
特に今読んでいる部分が、小泉政権時代に関する部分。今現在、経済を中心にそのツケを払わされている時期である。ツケっつったってその悪い部分は小泉元首相にすべてあるわけじゃない。
彼が行っている事の一部は正しく、穴もたくさんあったというだけのことだ。その穴を気づく一部議員もいたが、指摘してもその声は活かされず、現在の不況・リストラ不安の世の中に至る。
なんのことはない、頭の悪い政治家に投票した(あるいは白票だけでも投じて、意思表示をしなかった)国民が大勢いたっていうだけのことなのだ。
その大勢の一人である自分が、当時の政治家にブチブチ文句を言っているオジサンに、共感しつつも、「あ〜ほらねぇ、結局オジサンの言ったようになっちったよねぇ」と思いながら読む格好になっている。
それが結構きついのだ。
まぁまた読み終わったら感想を書くけれど。
今のところ読んでいてしんどい。